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回避型愛着障害とは?人との距離を取りすぎてしまう心理と関係の築き方

大人の愛着障害|回避型愛着障害との付き合い方

一人は楽。でも、どこか寂しい──


「人との関係は疲れるから、なるべく距離を置いていたい」 「一人でいる方が気がラク。だけど、ふと寂しさに襲われることがある」


もしそんなふうに感じたことがあるなら、それは“回避型愛着”の傾向かもしれません。

愛着とは、他者とのつながりに対する安心感の土台です。 そのスタイルが「回避型」に偏っていると、近づきたい気持ちと距離を取りたい気持ちの間で、静かな葛藤が生まれます。

このブログでは、回避型愛着障害の特徴や心理背景、そしてどう向き合っていけばよいかについて、わかりやすく解説していきます。

「わたし、もしかして…」と感じたあなたが、少しでも自分のこころにやさしくなれるきっかけとなれば嬉しく思います。

 

目次

回避型愛着障害の特徴

回避型愛着障害は、愛着スタイルのひとつであり、「親密な関係を避ける傾向」を特徴とする心理的な反応パターンです。愛着とは、本来、人と人との間に築かれる情緒的なきずなを指しますが、回避型の人は、そのきずなが必要であっても、それを自分に許すことができず、無意識のうちに距離を置こうとする傾向があります。

これは性格の問題ではなく、幼少期の養育者との関係によって形成された“対人関係のパターン”です。たとえば、次のような体験が背景にあることが多く見られます。

自分の感情を表現しても受け止めてもらえなかった

弱音や甘えを見せることに否定的な反応をされた

過度に「自立」を求められた

感情表現そのものが家庭で抑圧されていた


このような環境では、「人に期待してはいけない」「感情を見せると関係が壊れる」という前提が、こころの深い部分に刷り込まれます。その結果、大人になっても、人と一定以上の距離が縮まると不安になったり、相手に感情を見せることができなかったりするのです。

回避型愛着障害の人は、表面的にはとても落ち着いていて、社交的にも見えることがあります。しかし、内面では「本当の自分を知られるのが怖い」「近づきたいけど、拒絶されるのが怖い」という矛盾した気持ちを抱えていることが多いのです。

そのため、恋愛や友人関係など、親密さを伴う関係になるほど、自ら距離を取ってしまい、結果として孤独を深めていくという悪循環に陥りやすくなるのです。

それでは、ここからもう少し色々な角度で回避型愛着障害についてみていきましょう。


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回避型愛着障害の人がとりがちな行動パターン

回避型愛着の傾向をもつ人は、対人関係において特有の行動パターンをとることがよくあります。表面的には「落ち着いた大人」「自立している人」として見られることもありますが、内面では人との距離の取り方に深い迷いや不安を抱えていることが多いのです。

恋愛関係では──


親しくなりかけると、突然距離を置きたくなる

相手からの連絡が負担に感じ、既読無視や返信の遅延が続く

本音を話すよりも、無難な会話に終始する

付き合っても、どこか他人行儀なまま長く続く


恋愛では特に、近づくほどに「この関係が壊れるかもしれない」という不安が強くなり、自ら関係性を壊してしまうこともあります。「大切なはずなのに冷たくしてしまう」「寂しさを感じているのに相手を遠ざけてしまう」といったジレンマが起こりやすいのです。


友人・職場では──


プライベートな話題にはあまり踏み込まない

自分から誘うことが少なく、誘われても断ることが多い

必要以上に人に頼らず、常に“ひとりでこなす”姿勢をとる

困っていても助けを求めず、心の内は見せない


このような振る舞いは、相手からすると「冷たい」「壁を感じる」と受け取られてしまうこともあります。しかし本人は、距離を取ることで関係を維持しようとしているのです。「頼る=迷惑」「近づくと嫌われる」という思い込みが無意識に働いていることが背景にあります。


自分自身に対しても──


弱さや感情を感じること自体に罪悪感がある

本音や願いに蓋をして「考えないようにする」クセがある

楽しさや喜びよりも、安定・リスク回避を優先しがち


感情を切り離すことで心のバランスを取ってきた人ほど、「自分が何を感じているのかわからない」という感覚を持ちやすくなります。これは“無感覚”ではなく、繊細な感情を自ら抑え込んできた結果といえるでしょう。




これらの行動パターンは、どれも「自分を守るための選択」として培われてきたものです。次章では、そうした選択がどのような心のプロセスから生まれたのか、そして回避型の愛着スタイルが形成される心理的背景について、発達心理学の視点も含めて詳しく見ていきましょう。


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回避型愛着障害の心理的背景

回避型愛着の背景には、多くの場合、幼少期の養育環境や育ち方が深く関係しています。特に「感情が安心して表現できない家庭環境」で育った場合、子どもは自分の感情を抑え、他者との距離を置くことによって心を守る方法を身につけていきます。

たとえば、次のような体験があると、回避型愛着の基盤となりやすくなります。

親が厳格で、感情よりも成果や礼儀を重視していた

泣いたり甘えたりすると、「そんなことで泣くな」と否定された

親自身が情緒的に距離のある人で、共感や安心感を与えることが少なかった

親が忙しく、子どもとしての情緒的ニーズに応じてもらえなかった


こうした環境では、子どもは“感情を出すと嫌われる”と感じたり、“期待しても応えてもらえない”という無力感を経験します。そして、徐々に「自分の内側を見せることは危険」「ひとりでいた方が傷つかない」と学んでしまうのです。

また、親が過度に干渉的だった場合でも、回避型が形成されることがあります。干渉が強すぎると、子どもは「自分のスペースを守るために距離を置こう」とし、過剰な関与から身を守るために感情を閉ざすようになります。

このように、回避型は「他者からの拒絶や支配から自分を守るための適応戦略」として発達してきたものなのです。

一見、冷静で自立的に見える人が、内面では「どうせわかってもらえない」「期待して傷つきたくない」と感じていることが多いのは、このような心の土台が影響しています。


回避型愛着障害を放置する危険性

回避型の愛着スタイルをそのままにしておくと、対人関係や自己理解においてさまざまな困難が生じやすくなります。本人としては「自分らしい距離感で生きているだけ」のつもりでも、長い目で見ると、深い孤独感や不全感につながっていくことが少なくありません。


親密な関係が築けない苦しさ


回避型の人は、人との距離が縮まりそうになると不安を感じ、その不安から距離を取ってしまいます。その結果、表面的な関係はあっても、心の奥でつながっている実感を得にくくなります。「誰かと一緒にいてもどこか孤独」という感覚が続き、満たされない気持ちが積み重なっていきます。


感情を抑え続けた結果としての無感覚


感情を抑えて生きることが習慣化すると、自分が何を感じているのか、何を望んでいるのかがわからなくなっていきます。これは「感情がない」のではなく、あまりにも抑えてきたために、自分の内側とつながれなくなっている状態です。そのため、「生きている実感がわかない」「何をしても心が動かない」といった、無力感や虚しさに襲われることがあります。


本当の意味での“自立”が難しくなる


一見すると、回避型の人はとても自立しているように見えます。しかし、感情や他者とのつながりを断つことで築いた“自立”は、本来の意味での自己確立とは異なります。人は誰しも、安心できる他者との関係性の中で、自分という存在を確認し、育てていくものです。それを避け続けることは、心の成長のチャンスを自ら手放してしまうことにもなりかねません。


誤解されやすく、孤立しやすい


回避型の人は、自ら壁をつくってしまうことで、周囲から「冷たい」「距離を感じる」「本音が見えない」と受け取られてしまうことがあります。本当は不器用なだけだったり、怖さがあるだけなのに、誤解されて人が離れていってしまう──そんな経験を繰り返すことで、さらに「人は信じられない」「どうせわかってもらえない」という思いを強化してしまう悪循環に陥るのです。


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回避型愛着障害|一人でできる対処法

回避型の傾向に気づいたからといって、すぐに誰かと深く関わることはハードルが高く感じられるかもしれません。ここでは、日常の中で自分一人でも取り組みやすい対処法を2つご紹介します。小さな一歩が、自分の心との関係性を変えていく大きな力になるはずです。


①「本音日記」をつけてみる


誰にも見せる必要のない、自分だけのノートを用意し、思ったことを素直に書き出してみてください。

「今、心がザワザワした」

「LINEの返信をしたくないと感じた」

「なんでそう思ったのかはわからないけど、とにかく距離を置きたい気分」


言葉にならなくても、モヤモヤの断片だけでもOKです。大事なのは、“感じていること”をまず自分自身が認めてあげること。

回避型の方は、他人にだけでなく、自分自身に対しても感情を抑え込む傾向があるため、「気持ちに気づく練習」が回復の第一歩になります。


② 安心できる「小さな関係性」を意識して育てる


人との距離を縮めることに不安があるなら、無理に広く深く関わろうとしなくて大丈夫です。まずは「心を許せそうな相手に、ひとことだけ素直な気持ちを伝えてみる」ことから。

「この前、話せてうれしかった」

「最近ちょっと疲れてるけど、元気そうな声が聞けてよかった」


ほんの一言でいいのです。完璧な表現じゃなくても、「言ってみた」「少し心を開けた」という体験が、自分の中に安心の記憶として積み重なっていきます。




これらの方法は、時間をかけてじっくり自分の心との信頼関係を築いていくものです。できるときに、できることからで進めていきましょう。


ネットで見かけた悩み──私ならこう向き合います

カウンセラーの田口れいです。
ある掲示板にこんな書き込みがありました。

「彼氏と付き合って3ヶ月くらいまではうまくいくのに、それ以上続くと急に冷めてしまいます。LINEも既読無視したくなるし、会いたいと思えなくなる。自分でも意味がわからなくて苦しいです。」


このような悩みは、回避型愛着の方に多く見られる傾向です。相手との距離が近づくほど、「相手に依存してしまうのではないか」「本音を見せて嫌われたらどうしよう」という不安が強くなり、その不安から自分を守るために“距離を置く”という行動に出てしまうのです。


私なら、まずは「冷めた」という言葉の裏側を一緒に見ていきます


多くの場合、「冷めた」のではなく、「安心して近づけない怖さ」や「自分の感情をどう扱っていいか分からない戸惑い」が隠れていることが多いです。

「今どんな気持ちがあるのか?」
「本当に冷めたのか、それとも不安が出てきたのか?」

そうした感情の整理をカウンセリングの場では丁寧に行っていきます。


距離を取りたくなる気持ちを否定しなくていい


回避型の人にとって「距離を取ること」は、心を守るための戦略です。それは悪いことではありません。でも、それだけでは本当に欲しい“つながり”には届きません。

ですので、カウンセリングではこんなことを一緒に見つけていくかもしれません。

「近づく=失う怖さ」を感じたときに、どう自分を落ち着かせるか

「相手との間に、少しずつ安心を積み重ねていく関わり方」




カウンセリングは「関係性のリハビリ」でもある


カウンセラーとの対話は、安心できる関係性を少しずつ実感する体験になります。無理に変える必要はなく、まずは「話してみるだけ」でも、こころに大きな動きが生まれます。

もし、あなたが「うまくいかない恋愛ばかり」「人と関わるのが苦しい」と感じているなら、その背景にはあなたなりの理由や守り方があるはずです。

それを一緒に見つめていくことで、少しずつ「人とのつながり」に対する見方が変わり始めます。

→ 詳しい私のプロフィールはこちらから

回避型愛着障害の人によくあるQ&A

ここでは、回避型愛着の傾向を持つ方が実際に抱えやすい疑問を5つ取り上げ、それぞれにお答えしていきます。

Q1. 好きな人ができても、急に気持ちが冷めてしまいます。これっておかしいですか?


これは、回避型愛着の方に非常によくある反応です。好きになった相手と関係が深まるにつれ、「自分の心が支配されるのではないか」「期待しても裏切られるのではないか」といった無意識の不安が強くなり、それを避けるために“気持ちを冷ます”という防衛反応が起こります。
「気持ちが冷めた」のではなく、「これ以上近づいたら怖い」という感情が背景にあることが多いのです。


Q2. 人に弱音を見せたり、頼ったりすることがとても苦手です。


回避型愛着の人にとって「自立」は、生きていくうえで身につけてきた大切な戦略です。しかしそれが行きすぎると、「頼る=負け」「迷惑をかける=悪いこと」といった極端な思い込みにつながり、結果的に誰にも助けを求められない孤立状態になってしまうことも。
弱音を見せることは決して“悪いこと”ではなく、「信頼のサイン」でもあるのだという見方を、少しずつ育てていけるといいですね。


Q3. 感情を感じにくいし、人との関係もなんだか他人行儀になってしまいます。


回避型の方は、幼い頃から「感情を感じないようにする」ことで自分を守ってきた場合が多いため、感情が鈍くなっているように感じることがあります。
「何も感じない」のではなく、「感じることを止めてきた」状態です。時間をかけて、日常の中で小さな「うれしい」「さみしい」「不安」などをキャッチする習慣を持つことで、感情とのつながりが徐々に戻ってきます。


Q4. いつも人との間に壁をつくってしまいます。どうすれば自然に関われますか?


回避型の方は「相手からどう思われるか」「本音を出したら嫌われるかも」という不安が強いため、知らず知らずのうちに“距離”や“壁”をつくってしまいます。
まずは、すべての人に心を開く必要はありません。安心できる人に「ほんの少し自分を見せてみる」ことから始めましょう。小さな成功体験の積み重ねが、「壁を越えても大丈夫」という実感につながります。


Q5. 一人でなんとかしたいけど、自分だけで向き合えるか不安です。


「自分でなんとかしたい」と感じるのは、回避型の方によく見られる“自立志向”のあらわれです。それ自体は素晴らしい強みですが、ときに「一人で抱えすぎる」ことで心が疲弊してしまうこともあります。カウンセリングという選択肢は、「誰かに依存する」ことではなく、「安心して気持ちを整理する場を持つ」という自立のサポートでもあります。もし、ひとりでの取り組みに限界を感じているなら、一度専門家に相談してみることも選択肢に入れてみてください。話すことで、自分の思いが言葉になり、少しずつ心の整理が進んでいくはずです。


まとめ|人との適切な距離を取り戻し、自分らしく生きていくために

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
いかがでしたか?

回避型愛着の傾向を持つ方は、自分でも気づかないうちに「人と距離をとることで心を守る」方法を身につけてきました。恋愛がうまくいかない、孤独を感じる、人といても満たされない──そんな苦しさの裏には、これまで必死に自分を守ってきた歴史があります。

この記事を通して、「自分にはそういう傾向があるかもしれない」と思えたことが、すでに大きな一歩です。

愛着スタイルは変えられないものではありません。
心の仕組みを理解し、少しずつ感情や人とのつながりに向き合っていくことで、変化は必ず訪れます。

専門家に相談するという選択肢

回避型の傾向をひとりで抱え続けることは、とてもエネルギーを消耗します。
感情を整理したり、対人関係での不安を一つずつ見直したりするには、専門的な視点や伴走が必要になることもあります。

カウンセリングは、誰かに頼りきることではなく、自分の心に向き合うための“安全な場所”です。信頼できる専門家に話すことで、自分の考え方のクセや感情の動きが見えてきて、「だからこうなっていたのか」と理解できる瞬間が訪れることも少なくありません。

もしあなたが一人でできることの限界を感じたり、誰かの助けが必要になったとき、ぜひ専門家に相談することを一度検討してみてください。


ーカウンセリングでできることー

自分のこころのクセを、やさしく整理することができる

誰にも言えなかった思いを、安心して話すことができる

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投稿者プロフィール

【愛着障害克服の専門家】田口れい
【愛着障害克服の専門家】田口れい
私自身も、かつて愛着障害で苦しんだ過去があります。
「満たされたい一心で無理をしてしまう」
「人の顔色を常に気にして、本当の自分を押し殺してしまう」
そんな日々を過ごす中で、いつの間にか自分のこころの声を簡単に無視できるようになっていました。
その結果、パニック障害からうつ病となり、3年間引きこもり生活を余儀なくされました。
「同じような悩みを持っている方に、私のように時間を費やしてほしくない」そんな想いで取り組んでおります。

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