回避型愛着障害とは?その特徴や克服の仕方を説明します
こういったお悩みは大人の愛着障害の中でも、「回避型」タイプを理解すると、そこから解決法が見つかるかもしれません。
回避型愛着障害の人は、親密な関係を避けたり、自分の感情を隠したり、相手に依存しないようにしたりする傾向があります。
この記事では、回避型愛着障害とは何かを解説していきます。
さらに、回避型愛着障害の人との関係における悩みや課題にも焦点を当てます。恋愛、結婚、家庭といった深い関係から友人や職場、社会といった広範な関係まで、回避型愛着障害が及ぼす影響について考えていきます。
回避型愛着障害の人は、自分自身や他人との関係に不安や不満を抱えることが多いですが、それは変えることができます。
原因や特徴を理解し、自分の感情やニーズに気づき、信頼できる人との関係を築くことで、より幸せな人生を送ることができるはずです。
この記事から回避型愛着障害について、あなたの知りたいことが見つかることを願っています。ぜひ、最後までお読みください。
基本的な大人の愛着障害についてお知りになりたい方は、以下のブログ記事も参考にしてくださいね。
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目次
- ○ 回避型愛着障害の特徴とは?
- ・回避型タイプになる背景
- ・回避型タイプの特徴と心理
- ・回避型タイプの考え方の傾向
- ○ 回避型愛着障害の人々が持つ悩みと課題
- ・恋愛・結婚・家庭での悩みと課題
- ・友人・職場・社会での悩みと課題
- ・自己肯定感・自己表現・自己実現においての悩みと課題
- ○ 回避型愛着障害の人々との付き合い方
- ・相手の気持ちや立場を尊重する
- ・期待や要求を押し付けない
- ・聞き上手になる
- ・サポートや励ましを適度に行う
- ○ 回避型愛着障害の人が『自分自身』を変えるためにできること
- ・自分の感情や欲求に気づく
- ・信頼できる人との関係を築く
- ・自己肯定感を高める
- ○ まとめ
- ○ 最後に
回避型愛着障害の特徴とは?
回避型愛着障害とは、人間関係において感情的な親密さを持つことを避ける傾向が強い愛着スタイルの一つです。
愛着スタイルとは、幼少期に形成した自分と相手とのつながり方のパターンを意味します。
回避型愛着障害の人は、子どものころに親や保護者から十分な信頼や安心感をもらえなかったせいで、感情を閉ざし、人に頼らないようにすることを身につけてしまいます。そのため、感情表現が苦手で、人と深く関わることを遠ざけるようになります。
回避型タイプになる背景
回避型愛着障害の人は、親の関わり方が一定しなかったり、子どもの気持ちや要求に無関心だったり、過干渉だったりしたことが原因のひとつと言われています。例えば、親が以下のような態度をとっていた場合、回避型愛着障害になる可能性が高くなります。
・子どもに対して冷たく接し、ふれあいややさしい言葉をかけない
・子どもに対して過保護で、自分で考えて行動する機会を与えない
・子どもに対して虐待する(心的でも肉体的でも)
・子どもに対して大人げなく、自分の感情や悩みを押しつける
これらの親の態度は、本来子どもにとって安全で信頼できるはずの存在が、逆に危険で不安定な存在になってしまうことを意味します。このような状況が続くと、子どもは自分を守るために感情を隠し、人に頼らないようにすることを学びます。このようにして、回避型の愛着スタイルが形成されていくといわれています。
回避型タイプの特徴と心理
回避型愛着スタイルの人は、以下のような特徴と心理を持っています。
・感情の表現が苦手で、自分の本当の思いを伝えることができない
・人に心を開くことが苦手で、一定の距離を保った人間関係を好む
・人に頼らない代わりに、人からも頼られることを嫌う
・自分の責任が持てる範囲にいることを好み、冒険をしようとしない
回避型タイプの考え方の傾向
上記のような背景、特徴と心理をもった回避型タイプの人は、自分の感情や人との関係に対して、以下のような考え方の傾向があるといわれています。
・感情を表現することは危険で、傷つけられるかもしれないと考える
・人と親しくなることは疲れるし、拒否されるかもしれないと考える
・人に頼ることは弱いことで、裏切られるかもしれないと考える
・自分で責任を持つことは強いことで、自立することが尊いと考える
回避型愛着障害の人々が持つ悩みと課題
回避型愛着障害とはどういった傾向があるか、理解は進みましたか?
では、ここから彼らは生活のさまざまなシーンでどういった悩みに直面するかみていきましょう。
回避型愛着障害の人は、感情的な親密さを持つことを避ける傾向があります。
これは、人間関係において様々な悩みや課題を引き起こす可能性があります。特に、恋愛、結婚、家庭といった深い関係から友人、職場、社会といった広範な関係まで、回避型愛着障害の人は自分の感情やニーズに気づくことが難しく、相手とのコミュニケーションや信頼関係を築くことが苦手です。また、自己肯定感や自己表現、自己実現といった自分自身との関係にも影響を与えます。
恋愛・結婚・家庭での悩みと課題
親密な関係への恐怖
例えば、恋愛において、パートナーとの距離が近づくにつれて、不安や恐怖を感じ、関係を断ち切ってしまうことがあります。愛情表現やスキンシップに抵抗を感じ、パートナーとの愛情表現に戸惑ってしまうこともあります。結婚や出産といった、より深いコミットメントを伴う関係に踏み切れないこともあります。
不安定な関係
常に相手からの愛情を疑い、不安を感じてしまうことがあります。束縛や依存を恐れるあまり、パートナーを遠ざけてしまうこともあります。また、相手を傷つけてしまうような言動をしてしまうこともあります。
コミュニケーション不足
本音を伝えることが苦手で、誤解が生じやすいです。相手を思いやり、自分の気持ちを伝えることへの恐怖から、コミュニケーションを避けてしまうこともあります。
・恋愛関係において、パートナーとの距離が近づくにつれて、過去の恋愛で傷ついた経験が蘇り、不安や恐怖を感じて関係を断ち切ってしまう
・結婚を意識する相手が現れたとき、将来への不安や責任感から、結婚に踏み切れない
・パートナーとの愛情表現に戸惑い、スキンシップを避けようとしてしまう
・相手の気持ちに敏感になりすぎて、些細なことで不安を感じ、相手を疑ってしまう
・本音を伝えることが苦手で、相手を傷つけてしまうような言動をしてしまう
友人・職場・社会での悩みと課題
親密な関係を築きにくい
人に心を開くことが苦手で、孤独を感じやすいです。人付き合いを避け、一人でいることを好むこともあります。友人関係が長続きせず、孤立してしまうこともあります。
孤立感
職場や社会で、周囲の人との協調性に欠けることがあります。信頼できる人がいないと感じ、孤独感を抱えることがあります。
人間関係におけるストレス
常に緊張しており、周囲からの評価を気にしすぎることがあります。人前で話すのが苦手で、プレゼンテーションなどの場面で強い不安を感じてしまうこともあります。
・友人関係において、本音を伝えることができず、表面的な付き合いになってしまう
・職場の人間関係にストレスを感じ、仕事に行くのが辛くなる
・人前で話すのが苦手で、プレゼンテーションの機会を避けてしまう
・周囲からの評価を気にしすぎて、常に緊張状態にある
自己肯定感・自己表現・自己実現においての悩みと課題
低い自己肯定感
自分自身を愛せない、自分には価値がないと感じていることがあります。自己否定的な思考が強く、自分自身を認めることが苦手です。
自己表現の難しさ
本音を伝えることが苦手で、自分の意見を主張できないことがあります。自分らしさを出すことに抵抗を感じ、周囲に合わせようと無理をしてしまうことがあります。
自己実現への壁
目標に向かって努力するのが苦手で、失敗を恐れることがあります。自分自身を信じられないため、夢や目標を諦めてしまうこともあります。
・自分自身を否定的な目で見てしまい、「私には何もできない」「どうせうまくいかない」といった思考に陥ってしまう
・自分の意見を主張することを恐れ、会議やディスカッションで発言を控えてしまう
・周囲の人に合わせて無理をしてしまい、自分らしさを失ってしまう
・目標に向かって努力を始めるものの、失敗への恐怖から途中で諦めてしまう
・夢や目標を掲げること自体を避け、現状維持に甘んじてしまう
回避型愛着障害の人々との付き合い方
あなたの周りに回避型タイプの方がいた場合、関係を構築するのは難しいと感じていらっしゃるかもしれません。しかし、以下の4つのポイントを心ががけることで、新しい関係性の上で信頼と理解を深めることができます。
あなたの目の前の人との関係を諦めて手放す前に実践してみてください。
相手の気持ちや立場を尊重する
回避型愛着障害の人は、自分の感情や考えを表現することが苦手です。しかし、それは相手の感情や考えに興味がないということではありません。
重要なのは、相手の気持ちや立場を尊重することです。感情や過去の経験に理解を示し、無理な要求や詮索を避けることで、相手に安心感を提供します。尊重の姿勢は、信頼を築く第一歩となります。
具体的な方法として
- 相手の感情や考えを否定しないで、受け入れる
- 相手の感情や考えを理解しようと努める
- 相手の感情や考えを尊重し、批判や攻撃をしない
- 相手の感情や考えを尊重し、自分の感情や考えを押し付けない
このように相手の気持ちや立場を尊重することで、回避型愛着障害の人は、自分が受け入れられていると感じることができるようになります。この感情が安心感や信頼感を生み出すことにつながります。
期待や要求を押し付けない
回避型愛着障害の人は、他者との親密さを避ける傾向があります。これは、自分が拒絶されることや裏切られることに対して恐怖を抱いているからです。
相手に期待や要求を押し付けることは、回避型愛着障害の人にとって、ストレスや負担に感じることがあります。また、相手に期待や要求を押し付けることは、相手を不満や不安にさせることもあります。
期待や要求を押し付けず、相手のペースを尊重することが鍵となります。焦らずにコミュニケーションを深め、相手が安心して自分を開示できる環境を提供することで、関係がより良いものとなります。
- 相手に対して、自分の感情や考えを強制しない
- 相手に対して、自分の目標や夢を強制しない
- 相手に対して、自分の価値観や信念を強制しない
- 相手に対して、自分のやり方やルールを強制しない
あなたの期待や要求を押し付けられていると感じなくなると、回避型愛着障害の人は自分が尊重されていると感じることができます。そこから彼らが必要としている自由感や理解感を生み出していくことにつながります。
聞き上手になる
回避型愛着障害の人は、自分の感情や考えを表現することが苦手です。しかし、それはあなたに話したいことがないということではありません。相手に話したいことがあっても、自分の感情や考えを表現することに対して不安や恐怖を抱いていることがあります。聞き上手になることは、回避型愛着障害の人との関係を円滑にするために重要なことです。
そのために、以下のような事に意識してみてください。
- 相手の話に耳を傾ける
- 相手の話に興味を持つ
- 相手の話に共感する
- 相手の話に質問する
あなたが聞き上手になることで、回避型愛着障害の人は、自分が聞かれていると感じることができます。すると、あなたとの関係においてコミュニケーションや関心を深めることにつながります。
サポートや励ましを適度に行う
回避型愛着障害の人は、人に依存しないようにすることが多いです。これは、自分が裏切られることや失望されることに対して恐怖を抱いているからです。相手にサポートや励ましを行うことは、回避型愛着障害の人にとって、ストレスや負担に感じることがあります。また、相手からサポートや励ましを受けることは、回避型愛着障害の人にとって、弱さや依存と感じることがあります。
この強固な壁を崩すには、相手に「頼っても大丈夫」というメッセージを送ることが大切です。
そのための具体的な方法として
- 相手に対して、自分の感謝や尊敬を表現する
- 相手に対して、自分の協力や支援を申し出る
- 相手に対して、自分の意見やアドバイスを提供する
- 相手に対して、自分の賞賛や称賛を伝える
感謝の気持ちや協力したい気持ちを回避型愛着障害の人に伝え続ける事で自分は認められたり受け入れられていると感じることができます。このことで相手は自信感や満足感を感じることができるようになっていきます。
回避型愛着障害の人が『自分自身』を変えるためにできること
回避型愛着障害の人は、感情的な親密さを持つことを避ける傾向があります。これは、自分の人生において、多くの悩みや課題を引き起こす可能性があります。しかし、回避型愛着障害の人は、自分自身を変えることができます。自分自身を変えることは、自分の幸せや成長にとって、とても重要なことです。
自分自身を変えるためにできることがあります。
ここではその課題に立ち向かい、自分自身を変えるための可能性を探ります。感情と向き合い、信頼を築き、自己肯定感を高め、心の健康に専念する方法をみていきましょう。
自分の感情や欲求に気づく
回避型愛着障害の人は、自分の感情や欲求に気づくことができないことが多いです。これは、自分の感情や欲求を抑制したり、無視したりすることに慣れてしまっているからです。
自分の感情や欲求に気づくことは、感情を受け入れ理解することを意味し、自分自身を変えるために必要なことです。
そのために、以下のステップを試してみてください。
ステップ1)自分の感情や欲求を認める
ステップ2)自分の感情や欲求を表現する
ステップ3)自分の感情や欲求を満たす
このステップを実践することで、本当の自分を見つけたり、自分の幸せを追求することができるようになります。
信頼できる人との関係を築く
愛着障害は孤立感をもたらしやすいものですが、信頼できる人との関係を築くことは回避型愛着障害の克服において不可欠です。
理解のあるパートナーシップや友情は、過去の傷を癒し、新しい安全な環境を築くことにつながります。
そのために、以下のようなことを検討してみてください。
- 信頼できる人を見つける
- 信頼できる人に自分の感情や考えを話す
- 信頼できる相手から、相手の感情や考えを聞く
- 信頼できる人と一緒に誰かの協力や応援をしてみる
自己肯定感を高める
回避型愛着障害の人は、自己肯定感が低いことが多いです。これは、自分の価値や能力に対して自信がないからです。
しかし、自分を大切にし、自分を肯定することは、回避型愛着障害の克服において不可欠です。自己肯定感を高めるためには、過去の経験や信念と向き合い、ポジティブな自己イメージを構築することが大切です。
そのために、以下のようなことを実践してみましょう。
- 自分の長所や強みを認める
- 自分の短所や弱みを改善する
- 自分の目標や夢を追求する
- 自分の成果や成功を誇る
まとめ
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
いかがでしたでしょうか?
ここでは回避型愛着障害という心理的な特徴を持つ人との関係について、悩みや課題、そして改善策について考察しました。
回避型愛着障害の人は、自分の感情や欲求を抑え込んでしまう傾向があり、他人との距離感を保とうとします。しかし、それは本当の自分を見失ってしまうことにもつながります。
回避型愛着障害の人との関係を円滑にするためには、相手の気持ちや立場を尊重し、期待や要求を押し付けないことが大切です。
また、もしあなたが回避型愛着障害の当事者なら、自分自身を変えるためには、自分の感情や欲求に気づき、信頼できる人との関係を築き、自己肯定感を高めることが必要です。
そうすればきっと、あなたを受け入れてくれる人との関係を通じて、幸せになれるはずです。
このブログ記事が、回避型愛着障害の人やその周りの人の参考になれば幸いです。
必要な人に届くことを願っています。
最後に
この記事を読まれて、今すぐ誰かに相談したいと感じられた方は、お試しカウンセリングをご検討ください。
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投稿者プロフィール
-
私自身も、かつて愛着障害で苦しんだ過去があります。
「満たされたい一心で無理をしてしまう」
「人の顔色を常に気にして、本当の自分を押し殺してしまう」
そんな日々を過ごす中で、いつの間にか自分のこころの声を簡単に無視できるようになっていました。
その結果、パニック障害からうつ病となり、3年間引きこもり生活を余儀なくされました。
「同じような悩みを持っている方に、私のように時間を費やしてほしくない」そんな想いで取り組んでおります。
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