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不安感を乗り越えるためのガイド:不安定型愛着障害とは?

大人の愛着障害 不安定型タイプとの付き合い方

あなたは日常的に、強い不安感に悩まされていませんか?
些細なことで心配になり、自分の感情や行動をコントロールできず、結果的に自分に自信を持てなくなることがあるかもしれません。パートナーや友人との関係でも、過度に依存したり、逆に距離を置きたくなる瞬間はありませんか?

その理由として考えられるのが「不安定型愛着障害」です。このブログ記事では、不安感が強い原因となる不安定型愛着障害について詳しく解説し、具体的な克服方法をお伝えします。

自分を変えたい、心の安定を取り戻したいと感じているなら、この記事が役立つはずです。
また、大切な人が同じような不安を抱えている場合でも、理解を深め、関係をより良くするためのヒントが得られるでしょう。

最後までお読みいただくことで、不安感を乗り越えるための第一歩を踏み出せるようサポートできれば幸いです。

目次

強い不安感とは何か?:大人の愛着障害を知る

すでに別のブログ記事にて大人の愛着障害について解説をしていますが、もう一度簡単におさらいをしましょう。

詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。


愛着障害の定義と背景

愛着障害とは、子どもの時に親や養育者から安定した愛着関係を築けなかったために、大人になっても人と親しくなるのが苦手な状態のことです。
愛着は、子どもが特定の人に対して強く結びつきたいと思う感情や信頼のことを指し、子どもの成長に欠かせないものです。愛着があれば、子どもは安心して自分の好きなことを探求し、知識や感情を豊かにしていくことができます。
また、愛着は、人との関わり方の土台となります。親や養育者を信頼できれば、他の人にも信頼を寄せて接することができます。

しかし、愛着を形成するには、親や養育者が子どもの要求や感情に気づいて、適切に応えることが必要です。もし、親や養育者がいなかったり、虐待や無視などの不適切な養育をしたり、養育者がしょっちゅう代わったりすると、子どもは安心できず、愛着が不安定になります。このような環境で育った子どもは、愛着障害という心理的な問題を抱える可能性があります。

大人における愛着障害の影響と重要性

愛着障害は、子どもの頃に始まるものですが、大人になってもその影響は続きます。愛着障害の大人は、人との関係においてさまざまな問題を抱えることが多いです。
例えば、以下のような特徴が挙げられます。

・人に対して過度に警戒したり、依存したりする
・自分の感情や欲求を抑圧したり、爆発させたりする
・人を信用できなかったり、裏切られたと感じたりする
・寂しさや不安を感じたり、自己肯定感が低かったりする
・人間関係においてコミュニケーションや境界の設定が苦手である
・恋愛や結婚において不安定な関係を繰り返したり、避けたりする

このような特徴をもった愛着障害は以下の3つのタイプに分けられます。

・回避型タイプ
・不安定型タイプ
・無差別型タイプ

では、この記事の本題である、不安定型タイプについてみていきましょう。

不安感が強い理由:不安定型愛着障害の特徴

不安定型愛着障害の特徴について

それでは、「不安定型愛着障害」の特徴についてみていきましょう。
不安定型タイプは主に3つの特徴を持っているといわれています。

1.感情の起伏






不安定型タイプの特徴の1つ目は「感情の起伏」が激しいことが挙げられます。
これは自分の感情や欲求に対して不安や回避を感じることで、感情のコントロールができなくなるためです。
この感情の暴走は、怒りや悲しみや恐怖などのネガティブな感情だけでなく、喜びや興奮や愛情などのポジティブな感情でも起こります。
この感情の起伏は、自分や他者に対して衝動的な行動をとることにつながり、パートナーや友人に対して執着や嫉妬を示したり、見捨てられることを恐れて暴力的になることがあります。



2.「超適応」と「超適応のパターン」





次に愛着障害の不安定型タイプには、「超適応」と呼ばれる特徴があります。これは、他人との関係で極端な順応性を示す傾向です。超適応の一環として、「超適応のパターン」というものがあります。これは、過去の愛着関係の中での不安や不安定さからくる行動パターンで、主に以下の特徴が挙げられます。

超適応では、他人の期待に極端に応じ、そのために本来の感情や欲求を抑えがちです。自分を犠牲にして他者の期待を満たそうとするため、自己表現が制限され、他者の評価が自己評価の基準となります。

超適応のパターンでは、異なる状況や人によって異なる行動や態度を示すことがあります。他者の期待に応じて自分を変えることが多く、一貫性が欠如します。この結果、内面での感情や欲求が混乱し、自分の本当の気持ちを理解しにくくなります。



3. フィアボード・アブソーション





3つ目の特徴として「フィアボード・アブソーション」があります。
これは、幼少期に愛着関係が不安定で予測がつかない状態が続いてしまったことで、他者との親密さに対して欲求と回避の感情を同時に抱くことです。

フィアボード・アブソーションの状態は、親密さを求める一方で、関係から距離を置きたいという相矛盾する感情を持ちます。
これは、過去の経験からくる不安定さが、親密な関係に対して恐れや回避の感情を引き起こしているためです。

また、フィアボード・アブソーションの状態は、他者に対して期待と信頼を抱きつつも、同時に彼らを避けることで自分を保護しようとする信頼と不安のジレンマに陥ります。
このジレンマは、安定した愛着関係の構築を難しくします。

さらに、フィアボード・アブソーションの状態は、愛着障害の中での感情の不安定さを伴います。親密さに対する欲求と関係への不安や回避の欲求が入り混じり、感情の安定が難しくなります。

不安定型愛着障害と他の愛着障害との違い

愛着障害のタイプは一般的に3つのタイプにわけられていますが、「不安定型」と他のタイプとの違いとして、以下のようにまとめられます。

・不安定型タイプは、親との関係が不安定だったため、自分の気持ちや願いを上手に伝えることができないことが多いです。そのため、自分に自信がなく、自分の存在意義を見つけることができません。

・不安定型タイプは、人との関係において、一貫したり、信用できたりすることが少ないです。そのため、相手を突き放したり、依存したり、裏切ったりすることがあります。

・不安定型タイプは、自分の感情や行動に対して、責任感が弱いです。そのため、自分の問題を他人のせいにしたり、逃避したり、否認したりすることがあります。




他のタイプの特徴をお知りになりたい方は以下の記事をご覧ください。
↓ ↓

不安感が引き起こす課題とその克服法

不安定型愛着障害の人は、幼少期に親との関係が不安定だったことで、安心と絆の土台を築けなかった経験を持ちます。そのため、大人になってもパートナーや友人との関係に不安や不信感を抱きやすく、感情のコントロールが難しくなります。このような愛着障害は、自分の人生に大きな影響を与えるだけでなく、周囲の人にもストレスを与えることがあります。

では、不安定型タイプの人は、どのような悩みや課題を抱えているのかみていきましょう。

感情の波に揺れる日々

不安定型愛着障害の方は、感情の起伏が激しく、些細なことで怒ったり泣いたりします。また、自分の感情に振り回されやすく、衝動的な行動をとることもあります。例えば、パートナーとの喧嘩で別れを切り出したり、仕事を辞めたり、自傷行為をしたりすることがあります。このような感情の波は、自分自身にも疲れを感じさせるだけでなく、相手にも不安や恐怖を与えることがあります。感情の波に揺れる日々は、自分の幸せや安定を妨げる要因になります。

過度な依存と孤立のジレンマ

また不安定型タイプは、パートナーや友人に対して過度な依存を示すことがあります。例えば、常に相手の気持ちや行動を確認したり、離れられないと不安になったり、束縛したりします。これは、相手に愛されていると感じるための方法だと思っているかもしれませんが、実際には相手に重圧や窮屈さを感じさせることがあります。また、相手が自分の期待に応えられないときには、激しい怒りや悲しみを感じたり、相手を責めたり、別れを切り出したりすることがあります。このように、過度な依存は、関係の破綻や孤立につながることがあります。

過去の傷との向き合い

次に不安定型タイプは、幼少期に親との関係が不安定だったり、さまざまな感情の共有をしてもらえなかった経験を持っている場合があります。このような過去の傷は、自分の価値観や自己像に影響を与えることがあります。例えば、自分は愛されるに値しないと思ったり、自分はダメな人間だと思ったりします。また、過去の傷は、現在の関係にも影響を与えることがあります。例えば、相手が自分を裏切ると思ったり、相手が自分を傷つけると思ったりします。このように、過去の傷との向き合いは、自分の成長や幸せを阻害することがあります。

コミュニケーションの難しさ

最後に不安定型タイプは、コミュニケーションにおいても困難を感じることがあります。例えば、自分の感情や思いを上手に伝えられなかったり、相手の言葉や態度を誤解したりします。また、自分の感情や思いを抑え込んだり、相手の感情や思いを無視したりすることもあります。このように、コミュニケーションの難しさは、関係の深化や信頼の構築に影響を与えることがあります。

不安感を和らげるためにできること:人間関係を円滑にする方法

あなたの大切な人が不安定型愛着障害の傾向が強い場合、相手と最適な関係を築くには、理解とサポートが鍵となります。
この章では、不安定型愛着障害の人との健全な関係を築くためにできる具体的なアクションに焦点を当て、効果的なコミュニケーションとサポートの方法をご紹介します。

信頼と安心感の提供

不安定型愛着障害の人は、相手に対して不安や不信感を抱きやすいので、信頼と安心感の提供が重要です。信頼と安心感の提供とは、相手の存在や感情を認めてあげること、相手のニーズや要求に応えてあげること、相手の行動や言葉に対して正直に反応してあげることなどです。信頼と安心感の提供をすることで、相手は自分が愛されていると感じやすくなり、関係の安定化につながります。

感情の受け入れと理解

また不安定型タイプは、感情の起伏が激しく、衝動的な行動をとることがあります。このような感情や行動に対して、批判や否定をするのではなく、感情の受け入れと理解をすることが大切です。感情の受け入れと理解とは、相手の感情や行動をそのまま受け止めてあげること、相手の感情や行動の背景や理由を聞いてあげること、相手の感情や行動に共感や同情を示してあげることなどです。感情の受け入れと理解をすることで、相手は自分が受け入れられていると感じやすくなり、感情のコントロールに役立ちます。

一貫性と予測可能性の確保

次に不安定型タイプは、相手の気持ちや行動が変わることに敏感に反応し、不安や恐怖を感じることがあります。このような不安や恐怖を減らすためには、一貫性と予測可能性の確保が必要です。一貫性と予測可能性の確保とは、相手に対して一定の態度や言動をとること、相手に対して自分の気持ちや行動の変化を事前に伝えること、相手に対して自分の期待やルールを明確にすることなどです。一貫性と予測可能性の確保をすることで、相手は自分が安心できると感じやすくなり、関係の信頼を高めます。

コミュニケーションの工夫と柔軟性

最後に不安定型タイプは、コミュニケーションにおいても困難を感じることがあります。このような困難を解決するためには、コミュニケーションの工夫と柔軟性が求められます。コミュニケーションの工夫と柔軟性とは、相手の言葉や態度を正しく理解するために確認や質問をすること、自分の感情や思いを上手に伝えるために具体的な事例や感情表現を使うこと、相手の感情や思いを尊重するために傾聴や肯定をすることなどです。コミュニケーションの工夫と柔軟性をすることで、相手は自分が理解されていると感じやすくなり、関係の深化に寄与します。

不安定型愛着障害を持つ人が自分を変えるためのステップ

不安定型愛着障害の人が自分自身を変え、より健康的な関係や生活を築くためには、主体的なアクションが求められます。この章では、自己成長と変容を促進するための具体的な方法に焦点を当て、ポジティブな変化を実現する手段をご紹介します。

自分の感情を受け入れる

不安定型愛着障害の人は、自分の感情に対して否定的な見方をすることがあります。例えば、自分の感情は間違っていると思ったり、自分の感情はコントロールできないと思ったりします。しかし、自分の感情を受け入れることは、自分自身を変えるための第一歩です。自分の感情を受け入れるとは、自分の感情は自分の一部であると認めること、自分の感情は自分のニーズや欲求を表していると理解すること、自分の感情は自分の経験や環境に影響されていると考えることなどです。自分の感情を受け入れることで、自分は自分であると肯定しやすくなり、自分の感情に対して責任を持ちやすくなります。

適切なサポートを求める

また不安定型の自分自身を変えるためには、適切なサポートを求めることが重要です。適切なサポートを求めるとは、自分の悩みや課題を信頼できる人に相談すること、自分の感情や思いを支えてくれる人に励ましをもらうこと、自分の行動や言葉を客観的に見てくれる人にフィードバックをもらうことなどです。適切なサポートを求めることで、自分は孤立していないと感じやすくなり、自分の変化に対して勇気や自信を持ちやすくなります。


マインドフルネスと自己観察

次にマインドフルネスと自己観察をすることで、自分自身を変えるためのツールを手に入れることができます。マインドフルネスとは、自分の感情や思考や身体の状態に注意を向けること、自分の感情や思考や身体の状態を判断せずに受け止めること、自分の感情や思考や身体の状態に対して好奇心や興味を持つことなどです。自己観察とは、自分の感情や思考や身体の状態に関するデータを記録すること、自分の感情や思考や身体の状態に関するパターンや傾向を分析すること、自分の感情や思考や身体の状態に関する目標や計画を立てることなどです。マインドフルネスと自己観察をすることで、自分は自分の感情や思考や身体の状態に対して意識や理解を深めやすくなり、自分の感情や思考や身体の状態に対して適切な対処法を見つけやすくなります。

限界を設定し、境界を守る

他にも不安定型の自分自身を変えるためには、限界を設定し、境界を守ることが必要です。限界を設定し、境界を守るとは、自分にとって快適で健康的な関係の範囲を決めること、自分にとって不快で有害な関係の範囲を拒否すること、自分のニーズや要求を明確に伝えること、相手のニーズや要求を尊重することなどです。限界を設定し、境界を守ることで、自分は自分の価値や権利を認めやすくなり、自分の責任や選択を受け入れやすくなります。

新しい行動パターンの構築

最後に不安定型の自分自身を変えるためには、新しい行動パターンの構築が必要です。新しい行動パターンの構築とは、自分の感情や思考や身体の状態に応じて、より健康的で効果的な行動を選択すること、自分の感情や思考や身体の状態に影響されずに、自分の目標や価値に沿った行動を継続すること、自分の行動の結果に対して、自分を褒めたり、ご褒美をあげたりすることなどです。新しい行動パターンの構築をすることで、自分は自分の感情や思考や身体の状態をコントロールしやすくなり、自分の人生を充実させやすくなります。

まとめと次に進むために

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか?

大人の愛着障害、特に不安定型愛着障害との関係は、難しいことも多く、感情の揺れが大きい日々が続くかもしれません。でも、このような状態にあるからといって、決して諦める必要はありません。自分自身と向き合っていく中で、成長や変化に気づくことができるはずです。

不安定型愛着障害の特徴を知ることは、自分や他者との関係を改善し、対処法を探る重要な一歩です。他の愛着障害との違いを理解し、それに応じたサポートや理解を受けることで、より良い関係を築くことができます。

悩みや課題にぶつかる時、適切なサポートを探し、感情の変化に理解と共感を持つことが大切です。関係をスムーズにするためにできる具体的な行動を試してみて、自分の成長を応援してください。そうすることで、健康的なつながりを作ることができます。

そして、自分自身を変えていく過程で、感情を受け止め、適切なサポートを受けながら、新しい行動パターンを作っていくことは、とても勇気がいることかもしれません。でも、これらの努力が報われると、素敵な未来が待っています。不安定型愛着障害を克服することは、絶対にできることです。

不安定型愛着障害が人生の一部であることを認ることで、その中で希望を持ち、成長し、豊かな人間関係を作っていくことができるはずです。





最後に:不安感を乗り越えるために

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投稿者プロフィール

【愛着障害克服の専門家】田口れい
【愛着障害克服の専門家】田口れい
私自身も、かつて愛着障害で苦しんだ過去があります。
「満たされたい一心で無理をしてしまう」
「人の顔色を常に気にして、本当の自分を押し殺してしまう」
そんな日々を過ごす中で、いつの間にか自分のこころの声を簡単に無視できるようになっていました。
その結果、パニック障害からうつ病となり、3年間引きこもり生活を余儀なくされました。
「同じような悩みを持っている方に、私のように時間を費やしてほしくない」そんな想いで取り組んでおります。

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