ブログ
BLOG

HOME > ブログ > 人との距離感がわからないあなたへ 無差別型愛着障害の特徴と克服法

ブログ

人との距離感がわからないあなたへ 無差別型愛着障害の特徴と克服法

あなたは、愛着障害という言葉を聞いたことがありますか?
愛着障害とは、幼少期に親や保護者との安定した関係が築けなかったことで、大人になっても人との関わり方に困難を抱える状態のことです。


愛着障害には、不安定型、回避型、無差別型の3つのタイプがあります。不安定型タイプと回避型タイプについては、過去の記事で詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。


ここでは、無差別型愛着障害に焦点を当て、当事者の方と大切な人が無差別型愛着障害の傾向がある人々に向けて、理解と共感の架け橋となることを目指します。
この記事があなたの人生にとって有益なものになることを願っています。


それでは、さっそく始めましょう。


大人の愛着障害について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。↓



目次

人との距離感がわからない理由 無差別型愛着障害の特徴

無差別型愛着障害の人は、どんな人とでも親しくなろうとしますが、本当の意味での愛や友情を理解できません。彼らは、自分の感情や欲求を無視して相手に合わせたり、相手の感情や要求を無視して自分勝手に振る舞ったりすることがあります。これは、自分の内面に安定した自己がなく、他者との関係にも一貫性がないためです。

無差別型愛着障害の3つの主要な特徴

無差別型タイプの人は、以下のような特徴を持つことが多いと言われています。

親密さに対する不安
無差別型愛着障害の人は、親密な関係を築くことに不安を感じます。彼らは、自分が愛される価値がないと思ったり、相手に裏切られると恐れたりします。そのため、親密な関係を避けたり、表面的な関係に甘んじたりします。

信頼に対する不安
また無差別型タイプの人は、信頼できる人がいないと感じます。彼らは、自分の親や保護者に対して特別な愛情や信頼を持てなかった経験から、他人にも信頼できないと思い込みます。そのため、他人に対して疑い深くなったり、嘘をついたりします。

自己に対する不安
そして、無差別型タイプの人は、自分の感情や欲求に気づくことができません。彼らは、自分の内面に安定した自己がないことから、自分の感情や欲求を無視したり、他人に依存したりします。そのため、自分の想いを表現することが苦手になったり、自己肯定感が低くなったりします。

人間関係における距離感の問題点

無差別型愛着障害の人は、上記のような特徴から、人間関係においてさまざまな問題を抱えることになります。
例えば、以下のような問題が挙げられます。

人間関係の浅さ
誰にでも親しくなろうとしますが、本当の意味での愛や友情を理解できません。彼らは、人間関係を深めることに興味がなく、表面的な関係に甘んじます。そのため、人間関係の質が低く、孤独感や不満感を感じることがあります。

人間関係の不安定さ
人間関係において一貫性がありません。彼らは、自分の感情や欲求を無視して相手に合わせたり、相手の感情や要求を無視して自分勝手に振る舞ったりします。そのため、人間関係が不安定になり、相手に不信感や不満感を抱かせることがあります。

人間関係の依存性
また、無差別型愛着障害の人は、自分の感情や欲求に気づくことができません。彼らは、自分の内面に安定した自己がないことから、他人に依存します。そのため、人間関係において過度に依存的になり、相手に負担や圧力をかけることがあります。

以上が、無差別型愛着障害の特徴についての説明です。
では他の愛着障害のタイプとどういった違いがあるのか、もう少し詳しく見ていきましょう。

無差別型愛着障害と他の愛着障害との違い

愛着障害には通常、「回避型」「不安定型」「無差別型」という3つの主要なタイプが認識されています。
これらは主に幼少期の親子関係に基づいて形成される傾向がありますが、それぞれ特有の特徴を持っています。

不安定型愛着障害
不安定型愛着障害の根底には、親との関係が一貫性を欠いており、感情的なサポートが十分でないという特徴があります。これにより、当事者は他者に対して信頼を築くことが難しくなり、安定した対人関係の構築に苦労することがあります。過去の経験からくる不安と、他者への期待値の不確実性が関係に不安定性をもたらします。


回避型愛着障害
回避型愛着障害は、感情的なサポートが不足し、親からの期待に応えようとしても十分な応答が得られない状況から生じます。これが原因で、当事者は感情を抑制し、他者との関係においても親密さを避ける傾向が見られます。孤独感や感情の制約が、人間関係において難しさをもたらします。

無差別型愛着障害
無差別型愛着障害は、親との関係に一貫性を欠き、感情的なサポートが変動的である環境で形成されます。このタイプの特徴は、他者に対して信頼を築くことが難しい一方で、他者との関係において過剰な依存や期待を抱くことです。親との不安定な関係が、他者とのつながりにも影響を与え、適切な境界の設定が難しくなります。


これらの違いを簡潔にまとめると、

不安定型は信頼性の不足からくる不安定さ、
回避型は冷淡な環境からくる感情の抑制と親密さの回避、
無差別型は親との関係が不安定でありながらも他者との関係に過剰な依存が見られる

このように説明できるかと思います。


他のタイプはこちらの記事をご覧ください



無差別型愛着障害が引き起こす大人の悩みと課題

では、上記のような特徴をもった無差別型タイプの人は日々どんな悩みや課題に直面しているでしょうか?

無差別型タイプが直面する2大悩み

ポイント1
無差別型愛着障害の人は、親や周囲の人との関係が不安定だったせいで、他者への信頼が揺らぎやすくなっています。そのため、新しい人と仲良くなるのも、恋愛するのも怖いと感じることがあります。自分の本当の姿を見せるのが難しく、他者と深くつながることができません。心の中では、「本当の私を知ったら嫌われるのではないか」と不安になり、自分を隠してしまいます。

ポイント2
また、自分の感情や欲求を理解するのも、他者に伝えるのも苦手です。感情がごちゃごちゃしていて、自分が何を望んでいるのか、何を感じているのかが分からなくなることがあります。例えば、人との関係で不安だったり、嬉しかったりするときに、自分の本当の想いが何なのかがはっきりしません。これが原因で、人と話すときにうまく伝わらないことがあります。具体的には、「理解してほしいのか、それとも安心してほしいのか」といった感情の違いが分からないことがあります。

無差別型タイプが克服するべき課題

無差別型愛着障害を克服するには、自分の感情に素直になり、過去の傷ついた経験を受け入れることが大切です。また、自分の感情や欲求をはっきりさせ、それを人に伝えることを練習することが、健全な人間関係を作ることに役立ちます。


ここまで無差別型タイプの特徴と当事者が抱える悩みを考察すると、彼らが抱える課題が見えてきました。
では、次に具体的な克服方法を考えていきたいと思います。

距離感を取り戻すためにできること:自分自身の変化へのステップ

無差別型タイプの人が持つ人間関係構築の困難な状態は以下のような方法で克服できるかもしれません。
一つずつ試して、あなたに合った方法を見つけてみてください。


 親密さに対する不安を克服する方法 


自分の感情や要求を表現する練習をする
無差別型タイプの人は、自分の感情や要求を表現することが苦手です。しかし、他者との親密さを築くためにはこの苦手を克服する必要があります。
自分の感情や要求を表現する練習をするためには、日記を書いたり、信頼できる人に話したり、カウンセリングを受けたりすることが有効です。こういった訓練で、自分の内面に気づき、自分の本当の気持ちを伝えることができるようになります。

他者の感情やニーズに共感する練習をする
無差別型タイプの人は、他者の感情や要求に共感することも不得意です。他者の感情や要求に共感する練習をするためには、本や映画などのフィクションに感情移入したり、友人や家族などのリアルな人間関係に関心を持ったり、感情認識や共感力を高めるトレーニングを行ったりすることが有効です。相手と共感できるようになると、仲間意識や本音で話し合える雰囲気を作ることができます。


 信頼に対する不安を克服する方法 


自分の安全や利益を守る方法を学ぶ
無差別型タイプの人は、自分の安全や利益を守ることができません。そのため、他者に利用されたり、虐待されたりするリスクが高くなります。自分の安全や利益を守る方法を学ぶためには、自分の権利や境界を知ったり、断る方法やノーと言う方法を習得したり、自己防衛や自己主張のスキルを身につけたりすることが必要です。自分の安全や利益を守ることで、自分の感情や要求を満たし、健全な関係を築くことができます。

信頼できる人を見極める方法を学ぶ
無差別型タイプの人は、信頼できる人を見極めることができません。そのため、誰にでも甘えてしまったり、誰も信じられなくなったりすることがあります。信頼できる人を見極める方法を学ぶためには、相手の言動や態度に注意したり、相手の信頼性や信用度を評価したり、相手との関係性や期待値を調整したりすることが必要です。信頼できる人を見極めることで、自分の安全や利益を守り、健全な関係を築くことができます。


 自己に対する不安を克服する方法 


自分の長所と短所を受け入れること
無差別型タイプの人は、自分の長所や短所を受け入れることができません。そのため、ありのままの自分を受け入れることができません。自分の長所や短所を受け入れることで、自分の全体像を客観的に見ることができます。克服するには、自分の得意なことや好きなことを見つけたり、自分の苦手なことや嫌いなことに向き合ったりすることが有効です。自分の長所と短所を受け入れることで、自分の価値や存在意義を見出し、自己肯定感を高めることができます。

自分の感情や要求を満たすこと
無差別型タイプの人は、自分の感情や要求を満たすことができません。そのため、自分の気持ちを無視したり、他人に依存したりすることがあります。自分を満たすことで、自分の内面に目を向けることができます。克服するには、自分の感情や要求を適切に表現したり、自分想いを満たす方法を探したり、自分の要求に応える人や物を見つけたりすることが必要です。自分想いを満たすことで、自分自身を受け入れることができるようになっていきます。

無差別型愛着障害を持つ人との関係を円滑にする方法

もし、あなたの大切な人が無差別型愛着障害の特徴を持っていて対応に困っている場合、以下のようなアプローチや考え方が役に立つかもしれません。


 感情の理解と受け入れ 

無差別型愛着障害のある人との関係を円滑にするためには、まず感情の理解と受け入れが不可欠です。この特徴を抱える人は感情の混乱を経験しやすく、相手に対して適切な感情を表現することが難しいことがあります。そのため、相手の感情に理解を示し、受け入れることで信頼関係を築きやすくなります。

やり方
感情の変動に敏感であることを理解し、相手が感じていることを尊重することが大切です。感情の表現が難しい場合、言葉ではなく非言語的なサインや態度にも注視しましょう。

考え方
相手が感じている感情を否定せずに受け入れることで、相手は安心感を得やすくなります。感情の表現が難しい場合でも、相手の存在や感じ方をリスペクトすることが大切です。

注意したいこと
感情の理解と受け入れは時間がかかるプロセスであるため、焦らずにゆっくりと進めることが重要です。相手が話すことを優先し、感情を共有する環境を提供することで、信頼関係が深まります。



 柔軟で穏やかなコミュニケーション 

コミュニケーションにおいては、無差別型愛着障害のある人の特有のニーズや感情の変動に柔軟かつ穏やかに対応することが重要です。相手に対して理解のあるコミュニケーションを心がけることで、対人関係の安定感が増します。

やり方
言葉遣いやトーンに気を付け、相手が安心してコミュニケーションをとりやすい環境を作りましょう。また、柔軟に相手のニーズに対応し、コミュニケーションのリズムを守ることが重要です。

考え方
相手が感情の変動や不安を抱えていることを理解し、それに対して非難や圧力をかけないようにしましょう。また、相手がコミュニケーションを求めるタイミングに敏感になることが大切です。

注意したいこと
コミュニケーションの中で相手が不安や混乱を感じている場合、急かさずに配慮を示すことが必要です。一方的な圧力や要求は逆効果となる可能性があります。



 信頼を一歩ずつ築く 

信頼関係を築くには、無差別型愛着障害のある人との関係も一歩ずつ進めていくことが大切です。大きな期待を抱かず、小さな一歩から始め、着実に信頼を積み重ねていくことが成功の鍵となります。

やり方
相手との小さな約束や合意を守り、信頼を構築していくことが大切です。例えば、時間通りに会う、約束を果たすなど、小さなことから始め、相手が期待通りの行動を期待できると感じることが重要です。

考え方
信頼は時間と共に築かれるものであり、焦らずに相手との関係を深めていくことが肝要です。相手のペースに合わせ、信頼を築くためのゆっくりとしたプロセスを理解しましょう。

注意したいこと
過去の経験からくる不安や警戒心があるため、信頼関係を築く過程で相手のペースを尊重することが不可欠です。急ぎすぎず、相手が安心感を持てるような環境を提供することが信頼構築の鍵です。

まとめ

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか?

無差別型愛着障害を克服することは、決して簡単なことではありません。しかし、不可能なことでもありません。自分の感情や欲求を認めて、それを適切に表現する方法を手に入れてもらいたいと思います。

もしあなたの大切な人が無差別型愛着障害の特徴をもっていて、それを心配されているのでしたら、あなたにできることはたくさんあります。目の前の大切な人に寄り添って、安心感や信頼感を与えてあげてください。
あなたの愛と忍耐と理解と尊重と共感と励ましと支えという、人間関係に必要な要素を持って見守ってあげて欲しいと思います。

当事者のあなたも、サポートする側のあなたも、一人ではないことを忘れないでください。
もし、困ったときには周りの人に助けを求めましょう。

あなたは大切な存在です。
あなたが今感じている困難は克服できます。
そして、あなたは幸せになれます。





最後に:人との距離感を理解し、改善するために

この記事を読まれて、今すぐ誰かに相談したいと感じられた方は、お試しカウンセリングをご検討ください。

カウンセリングルーム「さいしょのいっぽ」では安価な価格で気軽にカウンセリングを体験していただけます。

お申込みは下のボタンをクリックしてください。
↓  ↓  ↓ 


投稿者プロフィール

【愛着障害克服の専門家】田口れい
【愛着障害克服の専門家】田口れい
私自身も、かつて愛着障害で苦しんだ過去があります。
「満たされたい一心で無理をしてしまう」
「人の顔色を常に気にして、本当の自分を押し殺してしまう」
そんな日々を過ごす中で、いつの間にか自分のこころの声を簡単に無視できるようになっていました。
その結果、パニック障害からうつ病となり、3年間引きこもり生活を余儀なくされました。
「同じような悩みを持っている方に、私のように時間を費やしてほしくない」そんな想いで取り組んでおります。

HOME > ブログ > 人との距離感がわからないあなたへ 無差別型愛着障害の特徴と克服法

こちらもご覧ください
© 2021 さいしょのいっぽ