【伝えるのが怖い】その時起きている身体のメカニズムをカウンセラーがわかりやすく解説

「伝えたいことがあるのに言葉が出てこない」そんな体験はありませんか。
言おうとしているだけなのに胸が苦しくなったり、呼吸が浅くなったり、喉が急に詰まるような感覚が出ることがあります。頭では伝えたいことが整理できているのに、体が先に反応して、言葉が止まってしまう。そんな瞬間に戸惑ったり、自分を責めてしまう方も少なくありません。
ですが、この反応は “性格的なもの” でも “コミュニケーションが苦手” だからでもありません。体には、危険や不安を感じたときに先に動く防御システムがあります。本音を伝えようとした瞬間に体がこわばるのは、あなたの心と体がこれまでの経験の中で学んだ 「自分を守るための反応」 なのです。
このブログでは、伝えようとすると苦しくなるときに体の中で起きているプロセスを、解説していきます。仕組みがわかることで、「なぜこうなるの?」という不安が落ち着き、言葉との距離が少しずつ変わっていくきっかけになります。まずは、身体が自動反応してしまう理由を知ることから始めてみましょう。
目次
- ○ なぜ「伝えること」が怖くなるのか
- ・アミグダラ反応|脳が危険を察知するときに起きること
- ・自律神経の活性化|体が緊張モードに入るしくみ
- ・フリーズ反応|言葉が浮かんでいるのに出てこなくなる理由
- ○ 伝えるのが怖い時に起きる体の反応とメカニズム
- ・喉が詰まる・声が出ないときに起きていること
- ・呼吸が浅くなる・胸が苦しい感覚の正体
- ・黙ってしまう・答えられないのは失敗ではなく反応
- ○ まとめ|反応を知ることから、言葉との距離は少しずつ変わっていく
- ・一人で抱えるのがつらいと感じたら…
- ・「お試しカウンセリング」のご案内
なぜ「伝えること」が怖くなるのか

「伝えるのが怖い」と感じるとき、私たちの体の中ではある順序で反応が起きています。これは、意思とは関係なく、体が自分を守るために先に動いている反応です。心より体が先に反応することで、言葉が止まってしまうことがあるのです。
この反応の中心にあるのが「警戒システム」です。脳には、危険から身を守るために周囲の状況を瞬時に判断する仕組みがあります。本音を伝えようとした瞬間、このシステムが働き、体を緊張させたり、声を止めたりすることがあります。
ここでは、その反応がどのような順序で起きているのかを見ていきます。
アミグダラ反応|脳が危険を察知するときに起きること
本音を伝えようとした瞬間、体が先に反応することがあります。その背景には、脳のアミグダラという部位が関わっています。アミグダラは私たちの危険察知センサーのような役割を持っており、過去の経験や記憶と照らし合わせながら、「これは安全か」「それとも危険か」を瞬時に判断しています。
たとえば、幼いころに意見を否定されたり、感情を表現したときに傷ついた経験がある場合、アミグダラは「伝える=危険」と認識しやすくなります。それは決して大げさな反応ではなく、体があなたを守ろうとしている結果なのです。
そのため、頭では「言っても大丈夫」とわかっていても、アミグダラが先に「危険かもしれない」と判断すると、体が緊張したり、声が出にくくなったりします。
この反応は、過去を基準に今を判断してしまう脳の習慣ともいえます。意思や努力とは関係なく起きる反応のため、自分を責める必要はありません。体はただ、これまでの経験から学んだ方法であなたを守ろうとしているだけなのです。
自律神経の活性化|体が緊張モードに入るしくみ
アミグダラが危険信号を送ると、自律神経のうち交感神経が活性化します。これは、体が「戦う」「逃げる」どちらにも備えられるようにスイッチを入れる仕組みです。
このとき、呼吸が浅くなったり、心臓の鼓動が速くなったり、手足が冷たくなることがあります。喉が締め付けられる感じがするのも、この反応の一つです。これは、体が“話す”よりも“身を守ること”を優先しているために起きる変化です。多くの人は、この状態を
「私は緊張しやすいから」
「気が弱いから」
と捉えがちですが、実際にはこれは正常な生理反応です。体は、危険かもしれない場面に備え、エネルギーの使い方を調整しているのです。
つまり、この段階で起きている反応は、あなたの体が「今、慎重さが必要かもしれない」とサインを出している状態。反応そのものは悪いものではなく、これまでの経験をもとに身を守ろうとしている証拠なのです。
フリーズ反応|言葉が浮かんでいるのに出てこなくなる理由
ここまでの反応が積み重なると、体は「動かないことが安全」と判断し、いわゆるフリーズ反応(凍りつき反応)が起きます。頭の中では言いたいことが整理されていても、体がその言葉を外に出すことを止めてしまう状態です。
たとえば、会議で意見を求められたときや、パートナーとの話し合いの最中など、心のどこかで「ここは失敗できない」「嫌われたくない」などの感情が強く働く場面で、体が急に動かなくなることがあります。このとき、多くの人は
「言葉が出てこないなんておかしい」
「なんで私は普通のことも言えないの?」
と自分を責めてしまいます。ですが、この反応はあなたの意思の弱さや性格の問題ではありません。むしろ、体が“過去の経験”をもとに最善の選択をしている結果です。
フリーズ反応は、脳が「話すより沈黙の方が安全」と判断したときに起きます。自分の意見や気持ちを伝えることが、危険や不快な経験につながっていた時期があると、この反応は特に起きやすくなります。
つまり、言葉が詰まるのは“問題”ではなく、あなたがこれまで必死で身につけてきた生き延びるための反応です。まずはそのことを知り、「守るためにそうしていたんだね」と自分に声をかける視点がとても大切です。
このように反応が積み重なることで、体は「伝えること=危険」と判断しやすくなります。これは、あなたの性格的な課題というより、過去の経験から体が学習してしまい、「話すことは慎重に扱うべき」「沈黙していた方が安全」という記憶を最優先しようとするからです。
その結果、「言葉を伝えること」そのものが体にとって脅威のように感じられ、怖さとして現れることがあります。つまり、伝えるのが怖くなるのは、体がこれまでのあなたを守ってきた結果なのです。
伝えるのが怖い時に起きる体の反応とメカニズム

「伝えようとした瞬間に体が強張る」「喉が詰まって声が出ない」「呼吸が浅くなって胸が苦しい」──もしそんな感覚があるなら、それは偶然でも癖でもありません。体はいつも、あなたより先に状況を察知し、守るために反応しています。
ここでは、多くの人が経験しやすい身体反応を取り上げながら、その反応の意味を整理していきます。こうした反応は、体が“必要だと判断したときに働く防衛反応”。
この理解が深まると、同じ反応が起きても「またダメだ」と責めるのではなく、「あ、今体が反応しているんだ」と一歩距離を置いて見つめられるようになります。
喉が詰まる・声が出ないときに起きていること
「喉が急に詰まる感じがする」
「声が小さくなる」
「言葉が喉で止まる」
こうした反応は、体が「まだ話さなくていい」と判断したサインです。これは、体が呼吸と声の機能を一時的に抑え、緊張に備えようとする反応です。喉は、感情と結びつきやすい部分です。幼い頃に「泣かないで」「黙っていなさい」「そんなこと言うものじゃない」と経験した人ほど、この反応が出やすくなります。
それは、あなたが過去に覚えた“安全のパターン”が働いているということ。言えないのではなく、「言わないことで守ってきた自分」が反応しているのです。
呼吸が浅くなる・胸が苦しい感覚の正体
緊張や不安が強くなると、呼吸が浅くなることがあります。これは、体が瞬時にエネルギーを節約し、「動く」ための準備をしている状態です。体は、話すよりも「逃げる」「備える」ことを優先しているのです。
胸の苦しさや息苦しさは、失敗や否定につながるかもしれない場面に反応した体のサインです。このサインを「変えなきゃ」と無理に押さえようとすると、さらに緊張が高まることがあります。
まずはその感覚を、ジャッジせずに「今、体が反応しているんだな」と気づくことからはじめてみましょう。
黙ってしまう・答えられないのは失敗ではなく反応
「考えはあるのに言葉にならない」
「話題を変えたくなる」
「黙ってしまう」
こうした反応も、防衛反応のひとつです。体は、話すことで傷つく可能性があると判断すると、“沈黙”という形であなたを守ろうとします。この反応は、過去に「黙っていたほうが安全だった」経験があるほど起きやすくなります。沈黙は、意思ではなく、体が選んだ“生き残り方”なのです。
つまりこれは、あなたがこれまでの環境で必死に身につけてきた、大切な反応なのです。
まとめ|反応を知ることから、言葉との距離は少しずつ変わっていく

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
いかがでしたか?
伝えようとした瞬間に起きる身体反応は、偶然でも、癖でも、弱さの証でもありません。体はこれまでの経験をもとに、「話すことは慎重に扱う必要がある」と判断しているだけです。
喉が詰まる、声が出ない、呼吸が浅くなる、沈黙してしまう──それらはコミュニケーションの失敗ではなく、体が安全を最優先した結果として現れている反応です。反応が出るたびに「またできなかった」と責める必要はありません。まずは、その反応が起きていることに気づき、「そう反応してしまう自分がいる」と認識すること。それが最初の一歩になります。
私たちは、ときどき身体の反応を“自分の感情”そのものと捉えてしまうことがあります。しかし、身体の反応は思考よりも早く、瞬時に神経を通って脳へ届き、自動反応として表れます。これはあなたの意思や努力の問題ではありません。体が、これまでの環境や経験をもとに「沈黙することが安全だ」と判断しているだけなのです。
この仕組みを理解できると、同じ反応が起きても「怖いからできない」という捉え方から、「あ、今体が反応しているだけなんだ」という視点を持てるようになります。その小さな視点の変化は、伝え方や関わり方を少しずつ変えてくれるはずです。
怖さがあるままでも大丈夫です。反応を否定せず、その理由を知り、扱えるようになることで、言葉との距離はゆっくりと変わっていきます。
一人で抱えるのがつらいと感じたら…
ここまで読んで、自分だけで向き合うには難しいと感じる方もいるかもしれません。体の反応や過去の記憶、そして「怖さ」の背景には、ひとりでは整理しきれない体験が関わっていることがあります。
そんな時は、無理に頑張らなくても大丈夫です。安心できる環境で、少しずつ体と心の反応を確認しながら進めることで、怖さとの距離は確実に変わっていきます。
カウンセリングでは、「なぜ言えないのか」だけではなく、体が反応してしまう理由や、あなたが長い時間をかけて身につけてきた生き方を丁寧に扱います。反応を否定せず、その背景にある意味を一緒にひもときながら、言葉にしていく練習を安全なペースで行うことができます。
もし、「ひとりでは難しいかもしれない」と感じたら、お試しカウンセリングをご検討ください。あなたのペースで大丈夫です。負担のないところから、一緒に始めていきましょう。

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投稿者プロフィール

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私自身も、かつて愛着障害で苦しんだ過去があります。
「満たされたい一心で無理をしてしまう」
「人の顔色を常に気にして、本当の自分を押し殺してしまう」
そんな日々を過ごす中で、いつの間にか自分のこころの声を簡単に無視できるようになっていました。
その結果、パニック障害からうつ病となり、3年間引きこもり生活を余儀なくされました。
「同じような悩みを持っている方に、私のように時間を費やしてほしくない」そんな想いで取り組んでおります。
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